ライプツィヒへの旅 その3 [旅の話]
9月にさかのぼって、旅の話を書いています。
今日は前回書いたスタジアム見学の日の続きで、ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏を聴くことができた日のこと。
結局この日複数会場で聞きたいと思っていた無料コンサートでしたが、スタジアム周辺で時間を使ってしまったので、もともと第一希望だったのアウグスト広場野外ステージの演奏会に的を絞り、早めに会場に行って待つことにしました。コンサート会場と言っても、ステージ前に来賓の席があるきりで、他の観衆は立ち見、地べた見が原則ですが、ソーセージやビールの屋台が広場周辺に出店していて、そのためのテーブルや長いすが点在しています。
ライブが始まる前は、このようにフィルムコンサートがあり、それを聞きながらビールを飲んでくつろいでいます。
外で食べる焼きソーセージ(ブラートヴルスト)は美味しいです!
コンサートまで、このあたりの席を確保。音響技術者の機械が視界をやや遮りましたが、音が聞こえれば良いです。屋台のソーセージとビールをお供に一時間余りをつぶすことにしました。同じような考えの皆様がぞろぞろ集まって来て、おなじテーブルについた人たちでミニオクトーバーフェストのようです。ビールがあれば、初対面でも皆お友達!しかしあと15分ぐらいで開演というときに、ポツリポツリと雨粒が・・・
みんなで傘を差し合い身を寄せ合ってどんどん激しくなる雨に耐えていましたが、支配人さんらしき人がステージに上がりなにやらスピーチ。最後のほうのザール(ホール)という言葉が聞き取れたので、どうやらゲバントハウスのホールに会場が変更になる様子。と、思った時にはすでに人々はライブステージ反対側のホール入り口に向かって走り出していました。デポジットのジョッキも(残念ながら)そのままにし、私たちもいちもくさんに走りました。
入り口で手渡された座席番号は2階席。まさにゲリラ雨でびっくりしましたが、まさかそのおかげでちゃんとしたホールに入館出来たのはラッキー。
こちらは2階のロビー。クラシックを聴くなら本当はこんなところでお上品にワインやシャンパンを飲む方がふさわしいのかも。
この太っ腹ゲヴァントハウスオーケストラは、来るもの拒まずで少しでも席を用意しようとステージ上にまで折り畳み椅子を出して、お客を迎えました。音楽鑑賞希望者はほぼ入館できた様子。
最初の方に入場させてもらったので比較的良い席です。
さてさてアウグスト広場から流れて来たお客さんを順に収容して、1時間遅れでコンサートの始まりです。前日に見た(覗いた)このコンサートホールのロビーは、ちゃんとお洒落ををして集まったお客さんばかりでしたが、この日は野外会場からそのまま移動して来た人たちなので、まさに観光客や酒気帯び市民も含めたカジュアル集団。小さな子供も混じってましたし、斜め下の方の席にはお母さんの膝に乗った、1歳未満の赤ん坊までいました。大丈夫かいなと心配でしたが、とても皆おとなしい子たちでした。
やがて盛大な拍手に迎えられて指揮者のリッカルド・シャイーさんが登場。「始まりの時間が遅くなったので休憩無しで演奏します」と挨拶し(たぶん)、すぐに演奏が始まりました。
この日のプログラムを書いておきます。
ベートーヴェン エグモント序曲 作品84
ブラームス ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
ヴァイオリンとチェロのための協奏曲イ短調 作品102
ワーグナー ニュルンベルクのマイスタージンガー序曲
豪華ソリストはヴァイオリンがワヂィム・レーピンでロシア出身、チェロはトルルス・モルクでノルウェー出身。レーピンもモルクも来日経験がある演奏家です。チェリストのモルク氏はヨンセンさんと同じノルウェー人というところについ反応してしまいます!
演奏が始まってまもなく、音がピアニッシモになった時に先ほどの赤ちゃんが「アウアウアウ~」と声を出しました。お客さんは静かにクスクスっと笑い、指揮者のシャイーさんは、いやがるどころかニコっと微笑んでその赤ちゃんの方に小さく手を振りました。なんと素晴らしいイタリアーノ!
やがてその赤ちゃんも演奏にうっとりしていつの間にかすやすや寝てしまい、最後まで目を覚まさず。シャイーさんは魔術師です!!
曲と曲の合間に写真を撮る人がいても特におとがめもなかったので、この嬉しいプレゼントの演奏会場を私も記念にカメラに収めました。写真はOKで椅子の背にコートを掛けている人は会場の人に注意されてました・・・。西洋のマナーってそういうもの?
休憩なしなので、曲の切れ目にパチリ。通路に座っている人もいました。
開演前にビールを飲んでいる方が多かったと思うのですが、居眠りする人もおらず、皆素晴らしい演奏に聴き入っていました。ソリストも素晴らしかったですが、最後のマイスタージンガーは特に良かったです。強烈な拍手・・・・。日本の演奏会での拍手は地味ですね。
これがホールの内部の様子。2階から見た一階ロビー。ゲヴァントハウスのゆかりの音楽家の絵などが飾ってありました。
ノンストップ演奏でも、9時から始まったので終わりは11時過ぎ。外はまだ雨が止んでいなかったので、すぐ目の前の停留所から駅まで市電に乗り、ホテルに戻りました。帰りを急ぐ皆様で一杯の市電でしたが、皆演奏の後の興奮冷めやらずといったところで、華々しい雰囲気が漂っていました。ゲヴァントハウスの皆様と指揮者のシャイーさんありがとう。本当にありがとう!
ゲヴァントハウスオーケストラですか!!
確か今年の冬、来日が中止になったオケではなかったでしょうか。
私チケットの払い戻ししてもらったと記憶してます。
めっちゃ、うらやましいですよ!!
それに、リッカルド・シャイーですか!!
音楽の本場で聴く本物、なんともすばらしいですね。
ノルウェー人のソリストというのも心ひかれます。
ヨンセンつながりで、ノルウェーと聞くと、嬉しくなりますものね。
「のすけの母@音楽」でした。
by のすけの母 (2008-10-31 22:12)
東ドイツ時代に(古っ)ゲヴァントハウスはなかなかチケットが取れないと聞いたことがあります。こんな形で、無料コンサートに紛れ込めて、ラッキーとしか言いようがありません。シャイーさんにも惚れました。
お恥ずかしいことですが、来日予定があったとは知りませんでした。本拠地がこのゲヴァントハウスのホールと向かい側の国立歌劇場、前述のトーマス教会の3つで、このオーケストラは年間の催し物が200回もあるそうです。ライプツィヒのサッカーチームはそれほど強くなさそうですが、このオーケストラは最強です!
by パコ (2008-10-31 22:43)